第9回日本言語聴覚学会
宇都宮で開かれた日本言語聴覚学会へ出かけてきました。
学会でも発達障害は以前に比べたらかなり枠が増えました。でも発達障害は言語聴覚士の仕事の中ではマイナーな分野なのです。そのためか学会の内容も小学校前後までの話が多かったです。アスペルガーの館の掲示板などでは思春期以降の支援のニーズが高まっているため、もっと言語聴覚士もそこへ目を向けて行く必要があるのだろう、と思いながら聞いていました。
もちろん人手不足の面もとても大きいのも事実です。何しろ全国で1万2千人前後しかいないという資格のため、ニーズがあっても雇用する側が知らなかったりと色々ハードルがあるのも問題なのでしょうね。非常勤の所も多いし、女性が多い職種のため、出産や育児といった現在女性医師が抱えているような話もちらほら聞かれます。
こちらからも「他の分野の人たちはこういう支援をしている」「成人当事者と交流するとこんな問題点がある」といった指摘をして行かないといけないですよね。その辺りをどう発信していったらいいかが私にとっても課題になりそうです。
何人かの先生方はテレビを見ていてくださったり、「話を聞かせてほしい」といった声をかけてもらえました。アスペルガーの館のサイトも「見たことがありますよ」と言ってくださった先生もいらして、だんだん発達障害も知名度が上がっていることを認識しました。
国リハ学院を卒業して10年経つのですが、学院生時代にお世話になった先生方からはしっかり覚えてもらっていた上に「今どうしているの?」とものすごく心配していただいたので、やっぱり学院生時代は相当問題児だったんだな、と改めて実感しました。
できの悪い子ほどかわいいとは言ってもきっと呆れられるような行動もしていたはず。にもかかわらずずっと見守ってくださっている先生たちに改めて感謝です。
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コメント
初めまして。
現在STを目指そうかと考えており、ネットで調べていたところ、ブログにたどり着きました。ご質問したいことがあってコメントに書き込ませていただいています。
STに関心を持ったきっかけは、自閉症で言語発達障害を伴っている兄がここ数年、声楽の先生の元で発声のレッスンを受けてから、生活面でのこだわりがやや少なくなっていること、表情の改善(レッスンで発声練習をすると顔の緊張が取れる)ことに興味を持ったからです。
このような口腔機能の訓練を体系的に学んでみたいと思うようになったところ、STという仕事があることを知りました。
しかし、本や学校の説明会などで見る限り、兄のような自閉症・発達障害の分野に関わる言語聴覚士の方に関する情報が少なく、このようなトレーニングはむしろ音楽療法の分野になるのだろうか・・・と悩んでいます。
私としては、コミュニケーションや口腔機能回復の支援など広範に関われる言語聴覚士の方に魅力を感じているのですが、仕事としては、兄のような自閉症や発達障害の言語発達障害に関われたら・・・と思っています。STとして、兄が今行っているような発声トレーニング等を通じて言語発達障害に関わることは可能なのでしょうか?また、発声に関わらず、STの方が言語発達障害に関わる場合にはどのような支援をされているのかご教示頂けますでしょうか?
突然長文のコメントを差し上げてしまい、恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
投稿: licorice | 2011年9月26日 (月) 08時04分
はじめまして。コメントをありがとうございます。
言語聴覚士の仕事は幅が広く、施設によっても取り組んでいることが少しずつ異なっていることがあります。
もしかしたらイメージされているものと違うかもしれませんが、言語聴覚士の勉強をすることで得る知識はお兄様のことを理解する上でとても役に立つものばかりです。
まだまだ人数が少なく現場のニーズは高い仕事ですからぜひST目指してがんばってください。
もしよかったら地元に近い養成校のオープンキャンパスなどに行って小児の専門の先生に声をかけてみるといいかと思います。
日本言語聴覚士協会のホームページ(http://www.jaslht.or.jp/)で施設や養成校を検索できますので、お近くの養成校や施設へ見学されることをお勧めします。
よろしくお願いいたします。
投稿: coachmurakami | 2011年10月 2日 (日) 13時08分
お返事いただきありがとうございます。
オープンキャンパスに行ってみようと思います。ちょっと勇気が湧いてきました。
ありがとうございます。
投稿: licorice | 2011年10月14日 (金) 21時36分