2011年8月22日 (月)

フィンランド特別支援教育視察(その3)

フィンランド特別支援教育視察(その3)
いよいよ22日から特別支援教育視察スタートです。午前中は3グループに分かれてユバスキュラ市内の小学校へ出かけました。

私が選んだのは地域の公立小学校。ユバスキュラ大学の先生の奥様が副校長をされている学校だそうです。学校へ到着すると外には大勢の子供達が遊んでいました。9時までは校舎内に入れないそうで、私たちも外で待っていました。

9時になるとみんな整然と列を作ってあっという間に校舎の中へ。私たちもスタッフの出迎えを受けて早速職員室(と言ってもラウンジのような感じの部屋)へ案内されました。

職員室では校長先生(40代くらいの若い先生で、Tシャツ+ジーパンというラフな格好)からフィンランドの教育カリキュラムや訪問先の小学校の紹介を英文パワーポイントの資料+英語で説明してもらいました(英語の先生が同行していたので通訳つき)。

その後小学校の教室での授業見学。スマートボードなどを使った小学校4年生の算数の授業や木工の授業(小学校3年生から自国の産業の基盤となる木工とテキスタイルの授業が必修なのだそうです)、小学校2年生の授業を見せてもらってから給食をご馳走になりました。

校舎が建て替えられたばかりとのことでどこもとてもきれい。教室は白が基調ですが、ランチルームはオレンジや青といった鮮やかな色、廊下もきれいな水色になっていて分かりやすいしデザインもおしゃれだな、と思いました。

個人的にはスマートボードはとてもいい視覚支援になると思いました。まだ全校に導入されているわけではないようですが、先生が記入したのと同じようにノートに書くことが見るだけで分かります。先生方もまだ操作などに慣れていないということでしたが、元々IT推進国ということで私から見ると皆さん普通にPCを操作し、色々工夫されている感じがしました。

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教科書もヒントが隠されていて自分で考えて解くことができるようになっていました。これも日本の教科書と違っていて面白かったです。

何よりも羨ましかったのが通常級の中に特別支援の先生が入って担任と2人で授業をしていること。見学したクラスにも何人か支援を受けている子どもがいたそうですが、フォローしながら授業が進んでいました(とは言え何人か授業ではわかりきっていないお子さんもいたようですが…)。

クラスの人数も22〜25人前後と日本に比べたらずっと少ないし、机も大きくて使いやすそうでした。姪っ子の学校公開でも随分私の頃より教室にゆとりがあっていいなぁ、と思いましたがさらにゆったり。スペースの余裕って大事だな、と改めて感じました。

見学後職員室に戻り、最初に見学に入ったクラスの担任と案内をしてくれた副校長(特別支援担当でかつ、大学の先生の奥様)が補足説明や質疑応答をしてくださいました。

午後はユバスキュラ大学へ行って教員養成課程担当の先生からフィンランドの教育カリキュラムや教員養成についての講義を受けました。

フィンランドではインクルージョン教育が進められており、できるだけ特別支援教育を通常クラスの中で行うよう配慮されています。もちろん個別指導が必要なお子さん向けの教室もあり、授業によっては別教室で授業を受けることもあるそうです。

ただし、日本でいう特別支援教育とは違い、ある単元でもつまづきでも状況に応じて対応するということでした。フィンランドには学習塾がないそうなので日本でなら学習塾が行うことも学校で、ということのようです。

特別支援学級で授業を受けるお子さんもできるだけ地域の小学校へ通うような動きになっているそうですが、知的な問題が大きなケースの場合などは特別支援学校へ通うことも。

当然どこの学校へ行くか、個別指導を受けるかなどは親御さんの許可は得るそうですが、何よりも心がけているのはお子さんの事情に合わせて柔軟な対応ということでなんとも羨ましいシステムでした。

教員養成についても特別支援教育の先生になるには一般の教員免許を取得後(フィンランドの場合教員になるには修士号を持っていることが必須です)数年は現場で経験を積んでから大学院でさらにトレーニングを受けるのだそうです。

そして校長先生も現場経験のある人が大学院で1年間リーダーシップ研修などの校長先生向けのトレーニングを受けてなるそうで、中には30代で校長になる人も。採用権も学校にあるため、学校の自由度は日本に比べてかなり高いとのことでした。とにかく教員が決めることが多い分責任も重大ですが、教師の質を保つ養成カリキュラムに加えて親御さんや地域の理解に支えられている印象を持ちました。

医療関係なども少し聞いてみると健診システムも日本とは随分違い、個別対応が基本だそうです。早期発見・早期療育の考えもかなり根付いていますし、連携に関しては学校にいるソーシャルワーカーやスクールカウンセラーといった専門職の役割も大きいようでした。

医療現場で働いていた言語聴覚士が私だけだったので、個別に聞ける時に少しSTについて聞いてみると、フィンランドではSTの養成校がヘルシンキとオウルの2箇所だけで、人数も約1000人ほどしかいないとのことでした。これだけ聞くと少ないですが、フィンランドの人口は500万人ほどなので、人口比で考えると日本の方がまだまだ割合としては少ないのが現状です。現地の先生方も「まだ人数が足りない」という認識でしたから今後人材養成などが問題なのは日本と同じようでした。

特別支援教育に携わるSTについて聞いてみたら病院や児童センター(日本だと児童相談所が近い)にはいるが、どちらかというと就学前のケースや重度のお子さんを見る、というイメージだそうです。というのもLanguage Teacherという専門職が学校にいるため、軽度の場合はその方が対応するのだとか。

ここまで聞くと羨ましいとつい思ってしまいますが、ユバスキュラ大の先生も「これをそのまま日本で導入するのは難しい。何しろ人口が日本は多いから、これだけのことをやるのは大変ではないか」という話に。

逆に考えれば日本の場合、これだけの人口の子どもたちに一定のレベルを保てるだけの教育ができるというのはすごいことなのかな、とも。ただかつての自分のような規格外の子どもたちにもう少しやさしい教育体制が作れないものか、とフィンランドで改めて感じながら現地の先生や同行した先生方と話をしていました。

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2011年8月20日 (土)

フィンランド特別支援教育視察(その1)

フィンランド特別支援教育視察(その1)
以前NHK教育「ハートをつなごう」で共演した月森久江先生からお誘いを受けて8月19日から28日まで北欧へ出かけておりました。全国から30人ほど集まり(主に学校の通級指導教室や特別支援に携わっている先生たちです)、大所帯で行ってきました。

目的はフィンランドの特別支援教育視察。PISAの学力調査でもトップの成績のフィンランド教育。児童の1/3程が何らかの形で受けているという特別支援教育が大きな鍵を握っているということなので、事前に本を読んだり、NHKBSプレミアムの北欧特集を見てフィンランドの風土や教育方針などをにわか勉強して行きました。

日本でフィンランドというとアニメにもなったムーミン、マリメッコといったテキスタイル、ノキアなどのIT企業、アアルトといったデザイン家具が知られていますが、実はサウナもフィンランド語。

森と湖の国でもあり、自然豊かな国でどんなふうに子どもたちが教育を受けているかをみられるのはなかなかない機会なので、寒さや時差といった心配はありましたが、主治医の許可を得て思い切って行ってみました。

コペンハーゲン経由で乗り換え待ちをしましたが、前日まで猛暑だった日本とは打って変わっての涼しさ。日中でも18度位しか気温が上がらないし、夜9時近くまで太陽が沈まないという状況に戸惑いながら日付が変わる頃ホテルに到着しました。

翌日はヘルシンキを観光。午前中はバスで主な名所を回りました。この日はちょうどヘルシンキマラソンの日で、ちょうどその準備もあってかバスが集合場所にいなくて男性メンバーが手分けして探すといったハプニングはあったものの、ガイドさんの説明を聞きながらあちこちぶらぶら。マーケットには日本ではあまり見かけないベリー類がたくさん売られ、買った先生方から「味見していいよ」と言われて何種類もいただきました。

昼食後午後は同室になった人と街を散策。ムーミンショップで姪っ子から頼まれたフローレン(姪っ子は「女の子ムーミン」と言っていましたが)のぬいぐるみを無事購入しました。絵葉書も色々あったのでこちらもお土産に。日本にもムーミンショップはありますが、ぬいぐるみや絵も原作のものに近い感じです。

その後は以前見た映画「かもめ食堂」のモデルになったお店へ行き(残念ながら定休日でしたが)、ヘルシンキマラソンの折り返し地点で走っている選手を応援したり、デザインショップを見て、アアルト設計のアカデミア書店を物色してお茶して…と随分街を歩き回りました。

途中偽警官らしい人にも遭遇して少しビックリしたものの、幸い何事も無く切り抜けられましたが、その後問題発生。なんと夕飯に訪れたレストランに携帯電話を忘れてしまい、後日日本に送ってもらうことになりました。やはり久々の海外で注意が低下していたようです。フィンランドでは使えない機種であちらでは目覚ましや防水カメラ代わりに使おうと持ってきていたものだったため、翌日日本にいた夫に連絡して回線を止めてもらう手続きをしてもらいました。

(その携帯電話も2日後無事見つかったと連絡があり、海外ではかなり運がいいと添乗員さんにも言われましたが、本当にその通りですね。色々な方にご迷惑をおかけしましたが、お陰さまで帰国後手元に戻りました。ありがとうございました。)

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2009年5月24日 (日)

新しい出会い

汐留まで顔合わせを兼ねた打ち合わせに行ってきました。詳しいことはまだ今は言えませんが、新しい展開になりそうなワクワクする出会いでした。

仲介してくれた方が色々配慮してくださったおかげで、こちらのバックグラウンドなどを理解してもらえ、とてもよかったです。ありがとうございました。

最近気づくのは自分のことを理解してくれる、あるいは理解しようとしてくれる人がだんだん増えていることです。応援してくれる人、一緒に何かを始めようという人…人の輪が広がっていくことで幸せも大きくなっていくんだな、と改めて感じました。

今はまだ種をまこうと始めた所なので今後どうなるかは分かりませんが、第一歩は踏み出せた感じです。

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2009年5月12日 (火)

テスコ・プレミアムサーチ株式会社さん訪問

千代田区にあるテスコ・プレミアムサーチさんへ行ってきました。こちらは障害者の求人や転職を支援しています。

こちらの会長である加藤さんとは上智大関係の集まりで知り合い、そのご縁で社長の石井さんをご紹介いただきました。加藤さんも石井さんもソフィアン(上智大同窓生のこと)です。

最近は発達障害関係のご相談もある、とのこと。就労に関してはまだまだ勉強したいことがたくさんあるので、とても参考になりました。リハビリ業界でも職場復帰に向けての支援が大きな課題になっていて、現場とのギャップをどう埋めて行くかは大きな問題になっています。

以前出演させていただいた「ハートをつなごう」でも働くことの意味や大切さについて話題になりました。お金を稼ぐために働くことはとても大切です。でも私が仕事をしているのにはそれ以上の意味があると思っています。

それは自立したい、自己実現をしたい、色々な人とつながっていたい、といった色々な願いの象徴なのかもしれません。そしてそれらを通して社会の中で小さいながらも何か役に立っている、という実感がほしいのかもしれません。

実は以前病気で療養していた時とても心細かったし、働いていない状況がとても辛かったのです。やっぱり仕事が好きなんだなー、と改めて思いました。

主治医からは「仕事好きなのはいいけど、あんまり無理しないように」と釘を刺されています。今話題のワークライフ・バランスは私にとっても大きな課題のようです。

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2009年3月23日 (月)

東京都教育委員会のシンポジウムに出ます

4月2日の世界自閉症啓発デーにちなんで4月2日から8日は発達障害啓発週間、ということで全国各地で記念のシンポジウムや講習会が開かれます。

私も東京都教育庁が行うシンポジウムにシンポジストとして出演することになりました。年度の変わり目でしかも平日のためお勤めの方は行きにくいかもしれませんが、第一回なのでできるだけ多くの方にお越しいただけたらと思います。

参加費は無料ですが、事前申し込みが必要です。こちらのサイトから文章をダウンロードし、印刷したものをファックスでお申し込みください。

http://www.a-yakata.net/cosmos/WAAD-TokyoEdu.pdf

会場案内図は「map0402.jpg」をダウンロード

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2008年9月 7日 (日)

いくつかお知らせ

日本自閉症協会が行っている、全国の自閉症協会に助成を行い、アスペルガー部会を立ち上げていこうという、事業の一環で9月13日(土)に福島で話をすることになりました。

直前なのでお忙しいとは思いますが、参加できそうな方、ぜひいらしてください。

詳しくはこちら。

日本自閉症協会本部の案内

福島県自閉症協会の案内

また、先月放送された「ハートをつなごう」の発達障害第10弾「結婚」も今月再々放送が決まりました。

NHK教育で
9月22(月)、23日(火)1時20分~1時49分

だそうです。

詳しくはこちら。
http://www.nhk.or.jp/heart-net/hearttv/

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2008年8月21日 (木)

「ハートをつなごう」予約録画をしようとされる方へ

「ハートをつなごう」の放送日変更に伴い、番組表などで予約をしようとすると、まだ番組表が対応しきれていないようです。

地上波デジタルを見ることができる方はデジタル教育3チャンネルで夜7時から第一回、7時半から第二回が続けて放映されるので、こちらを予約した方が確実です。

ご面倒をおかけしますがよろしくお願いいたします。

※夜9時近くに確認をしたところ、ようやく番組が差し替えられました。

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2008年8月11日 (月)

「ハートをつなごう」に出演します

何度か出演させていただいているNHK教育テレビ「ハートをつなごう」にまた夫婦で出演します。

今回は「結婚」をテーマに当事者やその連れ合いの方々がスタジオに集まって色々話し合いました。
翌週は4月に放映された「友達」のアンコール放送もあります。

4月の放送を見逃してしまった方、ぜひこの機会にご覧ください!

発達障害第10弾「結婚」

8月20日(水)・21日(木) 20:00〜20:29
(再放送)8月27日(水)・28日(木) 13:20〜13:49

アンコール放送
発達障害第9弾「友達」

8月27日(水)・28日(木) 20:00〜20:29
(再放送)9月3日(水)・4日(木)、13:20〜13:49

「ハートをつなごう」ホームページ
http://www.nhk.or.jp/heart-net/hearttv/

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2008年7月28日 (月)

出会いの月

今月は取材と打ち合わせがどどっと入っていました(追々日時などが決まったら少しずつお知らせをまたこちらやアスペルガーの館に書いていきます)。合間にいつもの仕事などが入っているので忙しかったです。3連休中も中日以外は収録や取材の仕事でした。

そして今週末は評価の訪問、勉強会の講師に視知覚関係の勉強会!新しいコーチとのセッションも始まり、先月の言語聴覚学会以来、人との出会いが多い1か月でした。これも色々な人のご縁があってこそ。本当に感謝感謝です。

この時期はいつも体調を崩して数日寝込むのですが、救いだったのは自律神経を整える薬を追加したら以前より疲れにくくなってきたことです。疲れてくると、横になる→横になることで胃酸が逆流する→食道や喉頭周辺に胃酸が回る→胸やけで食欲がなくなる→体力が低下する…という悪循環に陥るのでそれが減っただけでも体の負担が減った印象がします。

トレーニングも最近はハードなものになってもそれなりに姿勢をキープしながら身体を動かせるようになってきたので、改めて効果を実感しているところです。

とはいえさすがに疲れがたまるため、休みの日はよく昼寝をしています。この時間も以前は3時間近く寝てようやく疲れが取れていましたが、最近は2,30分でスパッ!と起きられるようになってきました。

今日からはデスクワークの割合を増やしていくので、まずはスケジュールを見直してたまってきた書類の整理をしないとです。

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2008年7月20日 (日)

我が家のアレクサンダーテクニック

声のセミナー」などの関係もあって以前から気になっていたのがアレクサンダー・テクニックという身体の使い方についての学習法です。

欧米では芸術系の大学の授業などに取り入れられていて、演劇や声楽を勉強する人もこの方法で身体との付き合い方を学習している人も多いとか。最近基本の考え方などが詳しく書かれた本を購入してあれこれ読んでいます。

私のトレーナーもワークショップなどを受けたことがあるそうで、ピラティスやジャイロトニックとの違いなど、本だけでは分からないことなどを教えてもらっています。トレーニングなどをしている経験もあってか、私にとってはけっこう自分が考えていたことに近いので目新しさはない反面、「そうか。こう言うと分かりやすいかも」という視点で読んでいます。

先日「ハートをつなごう」の収録待ちの時間にもこの本を読んでいたら夫が「何の本、読んでるの?」と聞いてきたのでタイトルを見せたところ、しばらくじーっと見ていて何を言うかと思いきや、

「そうか、アレクサンダーか。アレクサンダーということは…大王なんだな!」と言い出す始末。

「なんで私がそんなテクニックを学ぶ必要があるのよ。そもそもどんなテクニックよ。世界を征服するような方法なの?そんなの私が学んで何の役に立つのよ」と聞き返すと

「だって、僕が知っているアレクサンダーはアレクサンダー大王だもーん!」「君だったらそういう本読んでいてもおかしくはない」と言い張り、私が見返しを見せたらようやく「ああ!君がよく行っているピラティスとかジャイロトニックに近いものなんだな!!」と理解していました。

もう少し質問のしようがあるだろうに、なぜそういう方向へ走っていくのだろうか…。我が家のアレクサンダー・テクニックは世界征服を目論むという、ものすごいテクニックになってしまいそうです。

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